フライで鯉を釣る
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釣り上げた鯉に関するデータ-1
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フライは鯉の口のどこに・・
2001年の秋、エサ釣りをメインにしている方から「フライの場合は針はコイの口のどの辺りに掛かりますか?」と、質問されました。これに関しては全く気にしていなかったので、今年初めからコイのフライへの出方と針掛かりの位置との関係について調べ初めました。現在のデータは、2002年1月2日から2015年4月25日までに水面で釣り上げた9,439尾のデータで、数字は順次更新しています。

現場でのチェック項目
釣り上げたコイは全て写真に撮っていてのサイズ等は確認できるのですが、コイのフライへの出方は全くチェックしていなかった。また、フライが口のどこに掛かっているかだけチェックしてもそれだけでは何のデータにもなりそうにないので以下の項目を同時にチェックすることにしました。
 1:フライを流れのどの方向にキャストして流したか。
 2:コイはどちらからフライに向かってくるか?
 3:フライは口のどの位置に掛かるのか?
 4:その掛かりの深さは?

そのため、今まで漫然とライズを眺めていた釣りが一変してしまいました。まず、コイがどちらから出てきたのかを確実に見極めないと全てが始まらない。しかもネットインしてからだとフライが外れることがあるので取り込む前にフライの口の位置を確認する。右か左か、深いか浅いか・・。リリース後ネットを洗い、手を拭いて忘れない内に[正面、左に浅く・・]とつぶやきながらメモ(笑)。結構大変なんです。

数字からの推測
1.ラインの向きと流れの関係
図版-1 コイを釣る基本はダウンキャストで流れに乗せて流すのだが、場所によっては流れに立ちこめず、サイドキャストしかできない場合もある。流れが速いポイントでのサイドキャストはドラッグが掛かり易いので、全体に均一に流れている、流速の緩いところが多いです。
コイとフライの関係だけなら流れの方向は無視できるのですが、フライに対して同じように正面からライズしても、ダウンとサイドでは流れとの関係が90度変わってしまうので流し方のダウンとサイドの区別も考慮した。
単純にダウンかサイドか分けることが出来ない角度もあるのだが、
●流れに立ち込んで下流に流した場合をダウンキャスト。
●緩い流れを横に向かってキャストした場合をサイドキャスト。
コイの場合流れに対してアップキャストはやらないのでこの2方向で充分。
(今回の釣りは左岸側からのサイドキャストと左岸横のダウンキャストが多かったが、右側からのサイドキャストと右岸のダウンキャストはデータの左右を入れ替えて全て同じ左サイドからの動きに変換した)

流しの方向
調べた コイの数
サイドキャスト
3,100尾
ダウンキャスト
6,339尾
合計
9,439尾
2.鯉の向きとラインの関係
図版-2 コイがフライの対してどの方向から向かってきたかを見極めるのが一番重要なのですが現場での見極めは大変なんです。なにしろよそ見が出来ない。今までならのんびり景色を眺めていて向こう合わせで食い付いてきても全く気にしていなかったが、この調査を初めてからは気の抜けない釣行になってしまった。
コイがフライに向かって来る方向分け方は、ラインに対して正面を基準に4方向に分割
 1:フライの正面から左右45度以内を[正面から]。
 2:フライの右真横の前後45度以内を[右側から]。
 3:フライの後ろ(ラインの側)の左右45度以内を[手前から]。
 4:フライの左真横の前後45度以内を[左側から]。

左岸を基準にし、右側からのサイドキャストと右岸のダウンキャストは左右を入れ替えて全て同じ左サイドからの動きに変えた。


ライズ方向
サイドキャスト
ダウンキャスト
合計
正面から
627(20.3%)
2,735(43.1%)
3,362(35.6%)
右側から
1,003(32.4%)
1,754(27.7%)
2,757(29.2%)
手前から
267(8.6%)
408(6.4%)
675(7.2%)
左側から
1,203(38.8%)
1,442(22.7%)
2,645(28.0%)
合計
3,100
6,339
9,439

図版-2 図版-2
 ここで最初に判ることはダウンキャストでもサイドキャストでも[ラインの側から出てくることは極端に少ない]と言うことです。ラインが気になるのかフライに付いているティペットが頭に触るのをいやがるのか、このサイドからの出は少なかった。
次に判ることは、ダウンキャストの場合、ほとんど正面(下流)から来る。つまりコイは流れて来るフライに対して上流に向かいながら流れてくるのエサを探し食い付くのだ。上流から追いかけて来ることが少ないのはラインの影響らしいのだが、流れの横から出てくる数も少ないことに気付く。ダウンに流すポイントはほとんどの場合、流れがしっかりしているので流れを横切って食い付くことは少ないようだ。
一方、サイドキャストが可能なのポイントは、全体の流れが緩く、コイは餌を探してランダムに回遊している。餌を求めて水面をうろついているコイを探し出し、コイのフィーディングレーンを狙って横からキャストするので、あらゆる方向からフライに向かってくる。そんな中でも、左側(下流)からと右側(上流)から食い付くことが多い。流れが緩くても流れに沿ってに回遊しているからだろう。フライの横を通り過ぎたコイが水面のフライに気付き、Uターンして食い付く事が幾度もあった。
  
3.針掛かりした口の位置
図版-3 フライに食い付いたコイのどこに針は掛かっているのか?つまりフッキングポイント。口のどこに掛かっているかを上顎・右側・下顎・左側に分けて記録。口の場合単純に90度で分けるわけには行かない。上顎と下顎は両サイドよりも突きだしているので全開している時を分割し、閉じた状態を想定して上下の角度を広めにした。左の写真を見てもらうと説明は不要ですね。

掛かり位置
正面から
右側から
手前から
左側から
合計
上顎
606
383
163
409
1,561(17%)
右側
1,101
1,625
204
265
3,195(34%)
下顎
513
273
82
303
1,171(12%)
左側
1,013
296
154
1,476
2,939(31%)
スレ
129
180
72
192
573(6%)
合計
3,362(36%)
2,757(29%)
675(7%)
2,645(28%)
9,439

図版-4 コイがフライに向かってくる方向と掛かり位置にはやはり規則性がありそうだ。特に左右から向かってきた場合はほとんどそのサイドにフッキングしている。口の中に入ったフライは合わせで引っぱられるからほとんどが手前のサイドに掛かる。中には向きが違うものがいるが食い付いてから向きを変えたのかフライが口の中で反対側に行ったのかはよく判らない。
正面から来た場合、この調査を始める前まではフライが水中で垂直に位置しているから[下顎に掛かる可能性が高い]と考えていたのだが、その予測は見事に裏切られた。下顎よりも上顎の方が多いのはどうしてだろう?フライを吸い込んだ時、コイは下を向いて潜るために、引っぱられたフライは上顎にフッキングしたのではないかな?
しかも口の両サイドの掛かる場合も多いのはコイの向かってくる角度が正面から左右に少しずれているからか、食い付いてから左右に方向を変えたためだろう。
フライに手前から食い付く場合は極端に少ないが、上顎に掛かる可能性が高いのはうなずけるところだ。針先はコイの方を向いているし、合わせもラインが浮いているので上側に引かれることが多いのだから。これは私の予測通りでした。
掛かり位置
上顎に
右側に
下顎に
左側に
流しの方向
サイド
ダウン
合計
サイド
ダウン
合計
サイド
ダウン
合計
サイド
ダウン
合計
正面から
101
505
606
205
896
1,101
107
406
513
191
822
1,013
右側から
140
243
383
588
1,037
1,625
98
175
273
97
199
296
手前から
80
83
163
78
126
204
36
46
82
51
103
154
左側から
219
190
409
106
159
265
127
176
303
659
817
1,476
合計
540
1,021
1,561
977
2,218
3,195
368
803
1,171
998
1,941
2,939

コイがフライに向かってきた方向と掛かり位置をサイドとダウンに分解してみた。
上顎に掛かる場合、フライに正面から出た場合が圧倒的に多い。やはりコイとフライ(ティペット)の位置関係からだろう。
4.針掛かりの深さ
図版-5 どこまでコイはフライをエサだと思い吸い込んでいるのか?思いっきり吸い込んで喉の奥に掛かるのか、それとも直ぐ吐き出して入り口の近くに掛かるのか?しかし、この掛かりの深さは合わせのタイミングにも深く関係しているように思っていた。合わせのタイミングまでを全てチェックするわけに行かないのは、遠くのフライに対してライズを確認するのが精一杯で、どのタイミングで合わせたかは判断が難しい。だから調査内容は掛かりの深さまでにした。
掛かりの深さを3段階に分けた。その基準は、
1:コイの口からフライが見える(左の写真)
2:口を閉じると見えないが簡単に指で外せる
(左下の写真)
3:口からフォーセップで外すか、口と鰓から指を入れて挟んで外す。   
掛かり位置
上顎に
右側に
下顎に
左側に
流しの方向
サイド
ダウン
合計
サイド
ダウン
合計
サイド
ダウン
合計
サイド
ダウン
合計
見える
481
880
1,361
785
1,720
2,505
256
605
861
783
1,610
2,393
簡単に
45
114
159
169
428
597
82
126
208
187
285
472
鰓と口から
14
27
41
23
69
92
30
72
102
28
46
74
合計
540
1,021
1,561
977
2,217
3,194
368
803
1,171
998
1,941
2,939
図版-6
数字を眺めて気が付くことはただ一つ!
ほとんど口の入り口近くに浅く掛かっている。エサ釣りの場合、合わせが遅れると見事に飲みこまれるのですが、フライは偽物なので口に入ってもすぐに吐き出してしまう。だからそれほど奥まで入らないのかな?それとも、口の奥まで入ったのに口の中は広くて奥ではどこにも触らず、合わせで引っぱられて入り口付近に掛かるのか?とにかく、余程餌に飢えていたのか、勢い余って一気に吸い込んだのかコイに聞いてみないと判らないですが、口の奥に掛かるのは非常に希です。
合わせのタイミングはほとんど影響ないようです。
  
スレにも色々
図版-7フライにしっかり食いついたはずなのに取り込んでみると口以外にフッキングしていることがありますね。そんなスレ掛かりのデータが多くなったのでまとめてみました。
右の写真が掛かり位置の集計で、全体の5%位の確率です。

頭周辺
胸/腹周り
背鰭周辺
尾鰭周辺
合計
301
213
26
33
573
52.5%
37.2%
4.5%
5.8%

図版-8 ほとんどが口の周りと下顎の裏側ですね。取り込むまでは口の中に掛かった場合とほとんど区別できません。
次に多いのが胸鰭の付け根と鰓の後ろ。ここから後ろに掛かった場合は取り込み時に少しおかしい感じになります。素直に誘導できないことが多いです。
数は少ないですが腹鰭の根本に二度、背鰭の根本に一度。尾鰭にも一度掛かりました。
ウロコのある部分はほとんどフッキングと同時に外れてしまいます。外れると言うより針が刺さるとウロコが剥がれてしまうから、スレ掛かりで取り込めるのはウロコの無い部分に限られます(フックに付いたウロコの大きさと色でどの部分に掛かったか大体推測できる)。
各鰭の途中に掛かった場合は、ウロコの部分よりは長い間やりとりでき、手元まで来ることもあるのですが、ランディングまでには鰭が裂けて外れてしまいます。一度だけ取り込めた尾鰭の場合、鰭の中の堅い筋に刺さっていて取り込むことが出来ましたが、手元に寄るまでずいぶん時間が掛かりました。
口に掛かる場合とスレで掛かる場合のどちらも食いつくまではまったく同じです。あわてて吐き出したフライが運悪く口周りの柔らかくて骨のない部分に刺さるのでしょう。
 
出た方向で確率が違う
スレ掛かりする確率はコイの出てきた方向でずいぶん違っている。
ライズ方向
正面から
右/左から
手前から
合計
総数 3,362 5,402 675 9,439
スレ数 129 372 72 573
確率 3.8% 6.9% 10.7% 6.1%
確率の高いのはティペット側(手前)からフライに向かってきた場合でその数字は正面からの場合の3倍にもなっている(総数は少ないが)。フライが口に入ったかどうかが確認しにくいのと、合わせた瞬間口にフッキングしなければフライは当然口体のすぐ横を通ることになりスレで掛かることが多くなるのだろう。ただ、掛かりの位置はそれほど片寄りがない。ティペットの位置によって上に掛かったり腹側に掛かったりするのだろう。
確率の低いのは正面から来た場合。合わせそこなった瞬間、フライは口の中から出てきてコイの体に触ることなく離れていくからであろう。
横から向かってきた場合、正面よりは確率が高いが手前よりは低い。合わせそこなった時、コイがティペット側に移動したときにスレ掛かりになるのだろう。しかしティペット側に移動してくる確率を考えるとこの程度の数字になるのは納得できるところですね。
 

このデータで何が判るのか全く判りません。単に数字と遊んでいるだけなのかもしれないですね。ただ、[コイが食い付いてくれる流し方]がどういうものか少し判ったような気がします。調査は続行するので数字はどんどん更新されるはずです。
何か新しい発見が在ればレポートします。

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