line

鯉の花見(1999/4/10)
4月10日、朝から曇り空で今にも降り出しそうな天気。こんな日は川原への人出が少なく絶好の釣り日和。あいにく昼から桜散らしの雨が降りだした。毎年経験している鯉の花見が始まっていた。人間の花見は散りかけた桜と雨に人出も少ないが、鯉の花見は最高潮だ。水面を流れる桜が風で集まり絶好の餌場を作っている。いつもなら、吹き寄せられたゴミをめざして集まる鯉が桜の花びらをメインディッシュに選んでいる。一枚の花びらには食い気を示さない鯉もまとまった量は魅力なのだろう。川の中の全ての鯉が集まったのではないかと思えるほど多くの鯉が水面に口を出し、まるで掃除機のように桜の花びらを吸い込んでいる。まるでマッチング・ザ・ハッチ。桜意外は見向きもしない。キャストしたフライは邪魔者のように避けて通る。毎年思う、花びらに見える桜フライがあったら…。でも、どう考えても桜フライは出来そうにないと毎年諦める。
しかし集まった鯉の中には、花見には付いてきたけれど桜は好きではない、と言うヤツが必ず居て周りをうろついている。桜の中の集団を避け、その近くの花びらの無いところにキャストすると、そんなヤツが食いついてくる。また、吹き溜まりに集まった桜にまったく興味のない偏食者が、流れの中にいる。桜に集まった鯉に気を取られ、これを何とか釣ろうと奮闘しても惨めな結果になるのは明らかなので、花見をしている鯉は無視する。これが桜の季節の鉄則です。釣れる魚か、釣れない魚かの見極めが大切なのです。
この日は、2時間で桜の集団の周りで5尾。桜の影響のないポイントで3尾。合計8尾。4月になってからは水温が14−15度で安定し、産卵前で鯉の活動も活発になり食いが立ってきている。4月3日に10尾、4月4日に9尾と順調。これから梅雨前までが春のピークになる。楽しみな季節の始まりです。


line
サイトマップへ
Copyright © 1999 Katsumasa Fujita