line

秘密のポイント(1999/10/2-3)
10月2日、いつも鯉のデータを送ってくれる井手さんがメールで穴場(?)を教えてくれた。人から教えたもらったポイントなので場所は公表しません。初めて行ったのは10月2日。井手さんの情報だと「早朝に行ったのだが足元の深みに多くの鯉が回遊していたので、水際から遠ざかってキャストを始めた」との事だったが、当日は岸近くでは全く反応がない。静かに近付いたが鯉の姿は確認できない。「時間が違うからかな?」と半分諦め気味にポイントを見渡した。すると以前[1999/4/30鯉の学校]で見たのと同じ色がポイントの真ん中の水面に広がっている。しかし、その影は本当に鯉の集団なのか、川底の色が違うだけなのか確信が持てない程大きかったし、動いているようにも見えない。ポイントにはブッコミ釣り師が一人だけ。しかし彼のラインはその影の中に消えている。仕方なく確認を兼ねてポイントを右側から攻めることにした。手前の足元はかなり深く底が確認できなかったが、右サイドはかなり広い部分に流れがあり膝上程度の深さだった。影から20数m位のところまで静かに近づき、詳しく観察しようとしたが水面の反射で確認できない。その影が本当に鯉なのかの確認と、流れの筋を探す為に、パンを撒いてサーチする。足元の流れは左から右に流れているがポイントとの間は逆に右から左に緩く流れている。手前の流れがカーブして影の手前から左側を通り左岸の流れに合流しているのだ。つまり、全体の流れは大きな円を描き、黒い影は流れの中心にあたる部分に在る。キャストするとラインはS字に曲がりドラッグが掛かりそうだ。そんなことを考えている時、影の端に近付いたパンに、バシャッ!とライズ。
「ヤッタ!思った通り鯉だ」。影の端までは20m強。キャスト範囲のぎりぎりだったが追い風に乗って楽にポイントまでフライは飛んでいった。それから1時間で6尾。次の1時間で4尾。手網の乾く暇がないほどの入れ食い状態だった。岸に居たブッコミ釣り師は2時前には退散していたので、影が薄くなったのを期に初めの場所に戻り、ラインを左の流れに乗せて様子を見たが、ポイントに上手く流れて行かない。再度右サイドの戻り1時間半で4尾追加し合計14尾。最近の不調を吹き飛ばす釣果だった。

10月3日、前日の好釣果に味を占め、もう一度出かけたが、そうは上手く行かないもので、土手に立ちポイントを眺めて唖然とした。左の岸に竿の林。数えたらなんと13本。6人の釣り師が焚き火を囲んで賑やかに雑談中。そのラインを追うと影の中に消えて入る。右の流れにまで飛ばしているかどうか確認したら、そこまでは入っていないとの事なので、安心して前日のポイントに入った。所がその日は風が前日と全く逆で、強い向かい風。餌釣りが入っていることもあり、ポイントに近付くことも出来ない。流れに乗せてラインを送り込もうとしたが、向かい風で水面の流れもラインを運んでくれない。影はハッキリ前日と同じ場所に見えるのにフライが届かない。仕方なく下流を攻めたが5尾の貧果(本当は5尾なら納得しなければいけないのだが、前日の釣果を考えるとなかなか納得いかない)に終わってしまった。どうも彼等は日曜日に集まってくるようで「来週も・・・」の声が聞こえた。鯉の居る場所はみんな知っているのだなと再確認させられた。彼等の居ない時を見はからって行くしかないようだ。風向きも大きな要素になるので風の無い日を選んで行きたい。



line
サイトマップへ
Copyright © 1999 Katsumasa Fujita