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[フックが丸見え]は見切りの原因か?(2004/7/3)
7月3日、鯉のフライを色々考えてきたが[見切り]について考えてみた。同じポイントに幾度も通うと鯉がフライを憶えてきてフライの直前でUターンするすることが増えている。つまりスレてきてフライが偽物だと見切っているのだがその要因は何か?今までもいろんなパターンを考えてきたが、今回は皆さんが一番気にしている[丸見えのフック]について調べた。テストのために作ったフライは針先まで全てをマテリアルの中に隠して鯉からフックが見えないようにした。勿論フックの色も出来るだけ目立たないクロームに変えて。フックを隠すためにゲープの根元にマテリアルを巻き、懐が狭くならないようにギリギリまでトリミング。ゲープにマテリアルを取り付け従来のパターンの様にアイの部分にフローターを取り付けると全体が長くなってしまうのでフローターはシャンクと平行にゲープの根元とアイの付け根に止め、シャンクの上部を覆う様に取り付けた。マテリアルはフローター内側にも付け一体感を損なわないようにしてみた(写真上左)。結果水中姿勢は水平になりフックはより見えにくくなった(右)。
テストのポイントは見切りの多い所にしないと意味がないので浅川と二子のいつものポイントで試し釣り。素直に食い付いてくれれば・・と期待していたのに見事に見切っていく鯉が居る!しかもフッキングするはずのタイミングでのフッキング率があまり良くない。[テストパターン]と[Chubby Flat]を使い分けながらテストした結果「フックが見えても見えなくても反応は変わらない!」と言う結論に到達した。フックが見えていなくても[フライを見切る鯉]が居ると言うことは[フックが丸見え]以外に[見切る要因]があると考えられる!
魚は全体に近視の傾向にあると言われているが[危険予知]の意味で動く物には凄く敏感で、流れに立ち込んで石になっていると足元まで近づいてくるが、ほんの僅かでも体が動いた瞬間一目散に逃げて行く。しかも鯉は頭がいい。[不審な動き]等気にせず[餌だ!]と喜んで食い付こうとした瞬間[口に入るはずの餌が目の前で水飛沫をあげて逃げて行く]。これくらい鯉にとって衝撃的なことがあるだろうか?その衝撃を繰り返している内に[不審な動きをする物は餌ではない!]と言うことを憶えてくる。しかも中には釣り上げられて恐怖すら憶えるようになり、僅かでも[不審な動き]をすると[餌ではない!(怖い物)]と見切って行くのではないだろうか。しかし、見切りが全て[不審な動き]によると断定することは出来ない。鯉を探すために流した[パン]でさえこわごわ様子を見て、中には食べないで行くものもいる。ドラッグの全く掛からない場所で、フライの直前で止まり丹念に観察してから立ち去る鯉もいる。こうなるともう手の施しようがない。
スレてきた鯉の[見切り]の要因は幾つもあるだろうが、フライのパーツ(フックやマテリアル)を[怖い物]と判断しているのではなく[不審な動き]を一番恐れている可能性が大きいのではないだろうか。スレてくるほど[不審な動き(ドラッグ)]に敏感になるようだが、同じパターンを使い続けるとそのパターン(色と形)を[怖い]と記憶する様にもなるので色々目先を変えてやる事も大事です。
また、フックがむき出しの場合、吸い込もうとした瞬間に[バッシャ]と嫌がる鯉がたまに居るがこれはフライが口に入る瞬間に[フックが唇に触る]からではないかと推測している。フックを隠した場合この驚きは解消されるかもしれないが、逆にフッキング率の低下が気になる。[吸い込む直前にバッシャと見切られる]のと「フッキング率が悪い]のとどちらを選ぶかですが、私はフッキング率の低下は絶えられないのでこれまで通り[むき出しのフック]で挑戦したいですね。


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