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突然の雨が幸運を呼んだ(2007/4/28)
4月28日、連休のスタートは浅川から始まった。崩れるかもしれないという予報も気にせず河原に到着。平山橋上流のポイントに向かう途中、流れにコイの姿が幾つも見えた。上流側からかなり期待して釣り始めたが、いつも通り姿の見える割に反応が鈍い。1時間半掛けて平山橋まで下ったが釣果は3尾と期待はずれだった。平山橋直下のプールに到着し左岸ギリギリを攻めて1尾追加し写真を撮ってリリースしたとき下流の平山床固上に、左岸の茂みの中からカヌーが現れた。「なんだ?こんな所で練習するの?」とちょっと不安になっていたところに上流から次々に下ってきた。合計4艘。初めの一層は撮影している間に後ろを通過したのだろう。カヌーはしばらく止まっていたがその内引きずるようにして床固を下って行った。下ってきたカヌーは右岸の浅瀬を静かに通過してくれたので釣りへの影響は全く無く、2尾追加することが出来た。反応が止まったところでお決まりの床固右のポイントに。その頃から空が暗くなりしばらくすると大粒の雨が落ちてきた。風も急に強くなり雷も鳴り始めた。普通なら平山橋の下にでも避難することも考えるがここはちょうど頭の上に送電線がある。強くなった風の中ショートレンジでキャストし何とか1尾追加。その頃から流れに僅かながら濁りが入ってきた。床固の右岸上流に下水の出口がありそこから濁った流れが入り込んだのだろう。このポイントも反応が止まってしまったので左岸に移動しようと床固の所に行ってみると、流れは予想以上に水位が上がり濁りも入っている。どうするか考えながら床固の上を飛んで左の細流へ。ここも僅かに濁りが入っていたが何とか1尾追加できた。その頃から本流は本格的な増水と濁りで安定した釣果は期待できない状態になって来た。とりあえず下流のプールを目指して移動中、普段なら見向きもしない岸辺の小さな石の陰からコイが慌てて逃げ出して行く。「ん?こんなところに来ている」と下流の様子を見ながらゆっくり下って行くと岸辺の小さなトロ場には確実にコイの姿がある。流れは濁りが入り、コイはトロ場に漂っている水面のゴミに夢中になっている。竿先からフライを真下に落とせる距離まで近付いても逃げる様子はない。下流のプールに到着するまでに3尾追加。で、プールに近付いて遠目からポイントを眺めると、いつもより増水していたために左岸沿いの巻き返しが幾分広がっている。そしてその巻き返しの中に今まで見たこともないほどの頭が浮いている。「こんなに沢山浮いていても一尾釣り上げたら全て消えてしまうんだな」と考えながら岸から少し離れた位置からキャスト。巻き返しの向きを確認しながらコイの鼻先の少し前方にフライを落とし口との位置を合わせるために少し引く。コイは水面の餌を吸い込みながらゆっくり近付いて来てフライを吸い込む。コイが慌てて逃げ出す前に一気に寄せそのまま岸に引き吊りあげる。岸は崩れたテトラや石が転がっていて段差があったがコイの跳ねるタイミングに合わせて引き上げる。身をかがめながらネットに取り込み、水面を見るとコイ達は何事もなかったように餌を吸い込んでいる。離れた場所にリリースして再び巻き返しへ。それから連続で入れ食い。何しろコイはこちらのことは全く気にしないで水面に夢中なのだから、鼻先にフライを運ぶことさえ出来たら、そのコイはもらったも同然。プール入り口の反応が薄くなると少し下ってテトラの間から目の前のコイに向かってキャストを続け、2時間で16尾。コイは流芯の速い流れを避けるように巻き返しの狭い範囲に集まっている。短時間でこれだけの釣果はめったに出来るものではない。突然の豪雨に一時は焦ったが、こんな幸運があるとは思わなかった。

ハルジオンノジシャ


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